グローバル・バイオベンチャー・キャピタルでAMEDの認定VCであるAN Venture Partners (ANベンチャーパートナーズ、以下「ANV」)が認定VCとして出資するタイプライター・セラピューティクス(以下、「タイプライター」)は、一川隆史が日本の研究開発部門ヘッドに就任したことを発表しました。
タイプライターは、治療法の選択肢が限られた、または全くない重篤な遺伝性疾患に対する、革新的な遺伝子治療の開発をリードする新進気鋭の企業です。当社は、研究プラットフォームを推進するため、東京と米国ケンブリッジの両拠点で研究を行うグローバル・チームを擁しています。
一川は、日本拠点の研究開発(R&D)を主導し、米国拠点と緊密に連携しながら、患者さんに革新的な医薬品候補を届けること目指します。
ANVは、スタートアップ企業の創業や育成の豊富な経験を有する日米のベンチャーキャピタリストが集まり設立されました。米国ARCH Venture Partnersとのアライアンスのもと2022年に創業し、主に日本から革新的なサイエンスのシーズを調達し、世界的なバイオテクノロジー企業に育てることに注力しています。
ANVのマネージングパートナーでタイプライター・セラピューティクスのCEOを務めるホーン川嶋健は次のように述べています。「豊富な経験と実績を持つ一川氏をタイプライターに迎えることを、大変嬉しく思います。彼の参画により、タイプライターの研究開発体制がより強化され、重点分野の明確化や新たなアイデアの創出が進むと確信しています。大手製薬会社で活躍してきた優秀な研究者がスタートアップである当社へ参画するという決断は、タイプライターの可能性の高さを示す証であると考えています。」
一川は、次のように述べています。「タイプライターに参画できることを大変嬉しく思います。同社は重篤な遺伝性疾患に対し、真に革新的なアプローチを開発していると確信しています。これまで大規模な組織で主に管理職として勤務してきましたが、タイプライターではスタートアップならではの挑戦に取り組み、多岐にわたる業務に携わりながら、現場で直接仕事に関わることを楽しみにしています。」

一川 隆史 博士
一川隆史は、製薬業界、特に武田薬品工業株式会社において30年以上の経験を持つ研究者です。武田薬品では、ニューロサイエンス創薬ユニット NCEプロダクション研究所長として、日米にまたがる120名以上の研究者を率い、数多くの創薬プロジェクトを成功に導きました。
同社在籍中には、社内研究者のアイデアを具現化するための資金提供プログラム「Takeda Exploratory Challenge」を立ち上げるとともに、社員が週に1日まで副業や新しいスキル習得に取り組むことを許可する「20%ルール」を推進し、イノベーションを促進する仕組みを構築しました。
研究面では、最先端技術やAI/ML(人工知能/機械学習)を活用した創薬を通じ、複数の疾患領域で20以上の低分子候補を開発する豊富な実績を有しています。また、10件の特許を共同で取得し、数多くの科学論文を発表しています。これらの功績が評価され、日本薬学会から医薬化学部会賞を受賞しています。
現在は千葉大学大学院の客員教授も兼任し、次世代の研究者育成にも注力しています。
タイプライター・セラピューティクスについて
タイプライター・セラピューティクスは、標的特異的に治療用遺伝子を挿入できる基盤技術をベースとして、mRNA医薬ベースの遺伝子治療の実用化を目指すスタートアップ企業です。東京大学の藤原晴彦名誉教授のトランスポゾンに関する研究成果を基に2022年2月に設立され、日本発の技術をグローバルに展開するため、東京と米国ケンブリッジに研究拠点を構えています。タイプライター・セラピューティクスは、重度の遺伝性疾患に苦しむ患者さんに対して革新的な遺伝子治療を提供することを目指しています。
ANベンチャーパートナーズについて
ANベンチャーパートナーズ(ANV)は東京とサンフランシスコを拠点とするバイオベンチャー・キャピタルです。ANVは、日本からサイエンスのシーズを発掘し、世界的なバイオテクノロジー企業を育成することに注力しています。詳しくはwww.an.vc をご覧ください。